名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

大山将棋研究(111); 四間飛車に棒銀

昭和48年9月、石田和雄先生と第23期王将戦です。 大山先生の四間飛車に石田先生は棒銀。石田先生は急戦が多かったと思います。 大山先生は得意のツノ銀から袖飛車。これを指すのは大山先生くらいです。玉が薄いので真似されません。 大山先生としては右から…

20160331今日の一手<その303>; 攻防の手

20160331今日の一手 2月20日の名南将棋大会から、OさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 銀歩歩と金の交換、後手に持ち歩があるので歩はカウントしないで、と金と成桂を作り合って、ほぼ損…

大山将棋研究(110); 向い飛車に棒銀

昭和48年9月、加藤一二三先生と第12期十段戦です。 大山先生の先手向い飛車。64歩と突かせるのは得なのですが 加藤先生は棒銀ですから影響はありません。 棒銀を受ける形はいくつかあるのですが88角と受けました。 そのあと加藤先生が仕掛けをためらううちに…

大山将棋研究(109); 三間飛車穴熊に銀冠

昭和48年8月、加藤博二先生と第12期十段戦です。 34歩66歩のやりとりが遅くなりましたが、大山先生の三間飛車穴熊です。 加藤先生は銀冠。大山先生の45歩は先手番ゆえに手詰まりを避けたものでしょうか。当時は先手後手関係なく千日手を避けるのが普通でした…

20160329今日の一手<その302>; 穴熊を過信しない

20160329今日の一手 2月20日の名南将棋大会から、AさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 先手の1歩得です。後手に持ち歩がないのでカウントします。 玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。…

大山将棋研究(108); 四間飛車に玉頭位取り

昭和48年8月、長谷部先生と第23期棋聖戦です。 大山先生が四間飛車、長谷部先生は玉頭位取りに。 この時点ではまだわかっていなかったのでしょうが、ここで25歩から36歩で3筋の交換をするというのが最善です。 袖飛車で揺さぶって 自分だけ穴熊に囲えるとい…

大山将棋研究(107); 三間飛車に引き角

昭和48年7月、米長先生と第12期十段戦です。 大山先生の先手三間飛車。米長先生は急戦かと思ったら角筋を止めます。 引き角になりました。あまり良い戦法ではないのですが。 さらに棒銀というか早繰り銀というか、7筋を狙うので振り戻すのは振り飛車らしいで…

将棋の上達法則のまとめ(4)

将棋に必要な能力、残りはスタミナとメンタルです。 スタミナ(体力) 脳が活動するためには酸素とブドウ糖が必要です。足りなくなれば考えられなくなります。酸素や栄養分は血液で運ばれますから、体調が関係します。健康についての状況は人それぞれですが…

将棋の上達法則のまとめ(3)

大分間が空きましたが、形勢判断の続きです。 駒の損得、玉の堅さ、攻め駒の枚数という判断基準で形勢判断ができるのですが、最終盤になるともっと正確な方法があります。何手で詰めろになるかを数えます。 2/10の今日の一手で使った問題図です。 後手玉は52…

20160327今日の一手<その301>; 弱点を見つける

20160327今日の一手 2月20日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 駒の損得はありません。 玉の堅さは38飛を守備に入れて同程度。先手玉のほうが薄いと思っているほ…

第159回名南将棋大会結果速報(弐)

今日は第159回名南将棋大会(弐)を行いました。結果速報です。 D級優勝 地下好さん E級優勝 大石泰志さん F級優勝 松井祐三さん 鈴木義照さん G級優勝 山口稀良莉さん 優勝おめでとうございます。 参加いただいた皆様ありがとうございました。

大山将棋研究(106); 四間飛車に引き角

昭和48年6月、二上先生と第28期A級順位戦です。 大山先生の四間飛車、二上先生は玉頭位取りかと思いましたが、45歩を見て 引き角です。あまりうまくいくイメージはないです。 二上先生はすぐに24歩といくのを選びました。 部分定跡ではあるのですが、この歩…

大山将棋研究(105); 四間飛車に中央位取り

昭和48年6月、佐藤大五郎先生と第2回早指し選手権です。 佐藤先生の四間飛車。マキ割り流無敵四間飛車、という得意戦法です。(自称なのでうまく説明できませんが豪快な攻め将棋) 端を詰められて穴熊を思わせるのですが 結局美濃囲い。56銀が早いので大山先…

20160325今日の一手<その300>; 攻め駒を増やす

20160325今日の一手 2月20日の名南将棋大会から、OさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 駒の数に損得はないのですが、竜を作っているのでその分は先手が得です。 玉の堅さは先手のほうが…

大山将棋研究(104); 四間飛車に玉頭位取り

昭和48年6月、西村先生と第6回連盟杯争奪戦です。 大山先生は四間飛車、西村先生は玉頭位取りに。 大山先生は5筋の歩交換から54銀と組み替えてさらに石田流を目指しますが、ここまで手数がかかっているので、西村先生の陣形がしっかりしていて危険です。 西…

大山将棋研究(103); 四間飛車穴熊に位取り

昭和48年6月、大内先生と第21回王座戦です。 大内先生が中飛車に さらに穴熊です。大内先生の振り飛車穴熊はいつからでしょうか?端歩を受けてからでも穴熊にするのが大内先生らしいです。大山先生は6筋の位を取ります。対穴熊ということもありますが、7筋よ…

20160323今日の一手<その299>; 飛車を捨てる位置

20160323今日の一手 2月20日の名南将棋大会から、OさんとSさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 駒の損得はありません。 玉の堅さは先手のほうがやや堅いです。 先手の攻め駒は88飛66角56銀で3枚…

大山将棋研究(102); 三間飛車から乱戦

昭和48年6月、花村先生と第14期王位戦です。 花村先生が三間飛車、大山先生は居飛車に。 後手の角筋が通っているためか、普通の位取りの将棋にならず、大山先生は46銀と繰り出します。大山先生はこういうほうが多いですね。花村先生は妖刀、金を繰り出して反…

大山将棋研究(101); 石田流に急戦

昭和48年6月、佐藤大五郎先生と第12期十段戦です。 佐藤先生が三間飛車、38金は相振り飛車を意識した手です。佐藤先生は相振り飛車の本も出しているので得意戦法なのですが、大山先生は相振りをやらないのでこれがあだになりました。 玉を囲う前に飛車先交換…

20160321今日の一手<その298>; 形勢判断から大局観に

20160321今日の一手1月30日の名南将棋大会から、HさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。一昨日の一手の回答☆ 形勢判断をします。金歩歩と角の交換で、持ち歩がないので3枚換え(というか歩を1つと見て2枚換えと思うほうが良い)で損…

大山将棋研究(100); 四間飛車に玉頭位取り

昭和48年5月、西村先生と第14期王位戦です。 大山先生が四間飛車、西村先生は玉頭位取りに。西村先生が穴熊党副総裁と言われるのはもう少しあとでしょうか。大山先生のほうが振り飛車穴熊を先に指していたのですね。でも普通の振り飛車のほうが似合っていま…

第159回名南将棋大会結果速報

今日は第159回名南将棋大会(壱)を行いました。結果速報です。 A級優勝 伊藤康さん 青木一さん B級優勝 丹羽拓郎さん 小倉健司さん C級優勝 大河内正男さん 荒木昭一さん 宮堂力旗さん 優勝おめでとうございます。 参加いただいた皆様ありがとうございまし…

大山将棋研究(99); 三間飛車に中央位取り

昭和48年5月、内藤先生と第12期十段戦です。 内藤先生が三間飛車。大山先生はあまり見ない手順ですが中央位取りです。 36歩に38飛で対応。2筋の歩を伸ばしていないので、このほうがいいでしょう。 抑え込まれてはいけないので内藤先生が中央から開戦。 角交…

20160319今日の一手<その297>; 攻め駒を増やす

20160319今日の一手 1月30日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 角と銀歩の交換、後手は持ち歩がないので歩も入れて2枚換えです。先手は穴熊なので大駒よりも金駒…

大山将棋研究(98); 中飛車に引き角

昭和48年5月、塚田正夫先生と第28期A級順位戦です。 大山先生が先手で、塚田先生は振り飛車を指すようになっていたのでしょうか、どちらが振るかという駆け引きです。 65歩に84歩を見て大山先生の中飛車になりました。この55歩は1手儲けようと働いた手です。…

大山将棋研究(97); 四間飛車に中央位取り

昭和48年5月、灘蓮照先生と第2回早指し選手権です。 大山先生の四間飛車に灘先生は中央位取り。でも36歩を突く急戦のほうなら左銀を56にもっていかねばなりません。 組んでみたものの開戦できず、47に上がった金を引き戻します。 大山先生の31飛を見ての灘先…

20160317今日の一手<その296>; 疑問手を重ねない

20160317今日の一手 1月30日の名南将棋大会から、MさんとAさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆形勢判断をします。 香と桂歩歩の交換で、後手は歩切れですからやや駒得です。 玉の堅さは後手のほうが堅いです。 先手…

大山将棋研究(96); 三間飛車に右4間飛車

昭和48年5月、桐山先生と第22期棋聖戦です。 大山先生の三間飛車に桐山先生は右四間飛車です。プロでは右4間は少ないですね。 大山先生に32金と備えられたので急戦はあきらめて銀冠から穴熊に。関西では流行っていたのでしょうか。 この歩は交換するとやや囲…

大山将棋研究(95); 四間飛車穴熊に玉頭位取り

昭和48年5月、坪内利幸先生と第14期王位戦です。 大山先生の四間飛車に坪内先生は持久戦。 位取り模様ですが、大山先生は74歩と位取りを拒否するのはあったはず。端を突きあったのに穴熊にします。まだ使えるかどうかやってみようと思ったのでしょう。バリエ…

20160315今日の一手<その295>; 力戦でこそ形勢判断が重要

20160315今日の一手 1月30日の名南将棋大会から、NさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。 一昨日の一手の回答 ☆ 形勢判断をします。 先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるのでカウントせず、竜を作られている分だけ損です。 玉の堅さ…