
2月20日の名南将棋大会から、SさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは38飛を守備に入れて同程度。先手玉のほうが薄いと思っているほうがいいでしょう。
先手の攻め駒は65金1枚。59角は15歩にしか利きがなく、穴熊ではここから攻めるわけにもいかないので除外しておきます。
後手の攻め駒は55銀72飛で2枚。
総合すれば互角かやや後手有利です。
大局観として
55銀とぶつけられて一度56の金をかわして74の飛車取り、飛車を逃げた、という局面です。65の金は攻め駒ではあるのですが、囲いが薄くなっています。単純な金銀交換では不満です。どこかでポイントを上げておかねばなりません。理想は67銀をさばくことですが、後手の飛角を抑えているわけですからすぐに移動もできません。まずは飛角の働きをよくすることを考えます。
後手陣を見ると、31金が特徴的ですね。金銀の連結がよくなっているので後手玉がやや堅くなっています。では弱点はどこでしょうか?
× 実戦は55金でした。

放置すれば46銀が気になるので、これは自然な手なのですが、後手の攻め駒と元は先手の守り駒の交換ですから少し損です。55同角35歩に47金

35歩を取ってもらえば十分ですが、飛車を追われてしまいます。離れ駒が多く飛車は渡せません。36飛46金26飛44金

これは後手が優勢です。先手が主張できるところがありません。粘る方法もなく先手が負けました。
× 55金と取る前に35歩のほうがいいのですが

これも取ってもらえず、46銀34歩44金54歩47銀成

34歩まで進めても次の手段がありません。35歩は飛車を回る前に(もとは78に居た)突き捨てるべきでした。
△ 46銀を防いで68角としておきます。

54歩なら35歩同歩同飛

41玉55金同歩34飛44金37飛

こんなところでしょうか。これからです。
68角に44銀なら

54歩52金45歩同銀35歩

これは先手が指せそうです。
68角に44金は

35歩同金54歩

これは互角ですが先手も十分指せます。
途中35歩に同歩は55金同金35飛

これもまあまあ。
68角としておけば35歩が間に合いそうで、互角で戦えます。
○ 35歩の筋をあきらめるのなら、54歩と打ちたいです。

拠点にもなりますし、後手の金銀の連結が弱まります。44金なら86角が絶好で、85歩にも53角成

これは先手優勢に近いです。
54歩に64金なら

64同金同銀35歩

47金36飛13角45金

55にいた銀が64に下がったので35歩の筋が厳しくなります。これは先手十分。
54歩に52金なら68角と備えておきます。

64歩なら55金同角58飛

44金くらいに61銀から攻めて、まだいっぺんに決まるわけではありませんが、先手十分です。
△ 58飛も自然な手です。

56歩には26角52飛55金同角56飛

54歩77桂64歩61銀

質駒がありますし、これは先手が攻めて勝てそうです。
58飛に56歩は取られるだけなので54歩のほうがしっかりしています。26角と出て

うまい受けがありません。44角同角同銀54金

83角から馬を作って少しゆっくり攻める感じです。これも先手十分。
結局58飛には5筋を受けきれないので46銀でどうか。

54歩52金56飛に73桂

75金でこれから。77桂は少し損で、46飛は65桂の後がわかりません。
△ 26角と出れば

46銀に58飛

前の58飛46銀に26角でもこの図に合流します。(そのほうがいいのかも。)57歩48飛13角54歩

44金には56銀58歩成同飛57銀成45歩

飛車を取られてもこれなら先手が十分です。
54歩に52金なら35歩としておきます。

35同銀37角92飛55金33桂77桂

こんな調子で65桂を狙えばいいでしょう。(前の変化のように56飛と浮かないで)57歩を打たせてしまうのも有力です。
問題図では攻め駒が少ないですから飛角の働きをよくするべきで、まずは55金同角35歩同歩同飛という筋が目につくのですが、実現は難しいです。その筋をやるなら38飛とする前に突き捨てねばなりません。
68角と46歩を守っておくのは落ち着いた手で、互角に指せます。
58飛あるいは26角の組み合わせは有力で、後手陣は5筋が薄いので弱点を突いています。読んでみれば直接は受けにくく、後手は46銀からどうにか受けるのですが、56飛と浮いて57歩を防ぐのは73桂で互角。57歩と打たせて48飛とまわるのも逆用している感じで感触がいいです。
54歩と打ってしまえば、44金、64金、52金どれも先手が十分指せるようです。上に出れば53の地点の守りが薄く、引けば銀を取って割打ちです。ぴったりした手がありました。
後手の31金の弱点は5筋が薄くなるということです。逆に35歩同歩同飛という手順が実現したとしても41玉とかわせるのです。小さな差ですが、5筋を攻めたほうがよい、という感覚がわかれば正解に近づきます。