名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20190724今日の一手(その910);相手の持ち駒も読む

20190724今日の一手

 

6月9日の名南将棋大会から、KさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

先手の1歩得ですが後手に持ち歩があるので損得なしとします。

玉の堅さは同じくらいです。

先手の攻め駒は45桂34飛と持ち駒角で3枚。

後手の攻め駒は81飛54角で2枚。

 

総合すれば互角か先手もちです。

 

☆ 大局観として

相掛かりに分類されるのでしょうが、先手が右桂を跳ねて横歩を取ったら、空中戦のようなものです。横歩取り戦型とも似ています。飛角桂で3枚しか攻め駒がないので(左桂も使えると4枚ですが)攻めがきれいに決まることは少なく、どこで戦っていいものやら分からないので、私は敬遠しているのですが。

さて跳ねてしまった45桂はいつか取られるでしょうから、のんびり駒組みに移るわけにはいきません。幸いにしてというか予定の行動なので、先手陣は飛角の打ち込みは28だけなので対応しやすいです。飛角を切ってでも食いついてしまえば勝ちやすいです。なるべく駒損をしないで攻める手段があるでしょうか。

問題図は後手が角を打って桂取り、64飛を防いだところです。しかしこれが危ない手でした。欲張らないで63銀としておいて、先手に継続の攻めがあったかどうか。歩を打てるのが2筋だけなので難しかったはずです。(先手としては3筋の歩を取らずに、35歩同歩と突き捨ててから34飛や33歩をねらう方が攻めやすくなります。)

 

 

☆ 簡単なまとめ

54飛同歩17角が厳しいです。

切られそうなところに角を打ったのが後手の失敗でした。

 

 

○ 桂取りを受けるのが普通の手で46歩。

後手のねらいとしては23銀35飛24歩

飛の捕獲です。

 

先手はこれを避けて23銀に54飛

54同歩に17角(角はどこからでも良いです)というのが厳しい手です。

金をどう逃げても、ひもをつけても53角打です。52金53角打41玉71角成

先手陣に怖いところがないので楽勝です。

 

後手としては63銀として

飛切りに備えます。35角23銀54飛

54同銀72角

強打が続きます。82飛には54角成同歩53銀ですから

72角に同金のほうも

53角成41玉54馬

先手の駒損と言っても飛銀交換は1対1です。馬ができて桂も使えるので優勢に近いです。

 

 

△ 実戦は56角でした。

角には角で悪い手ではないです。23銀に54飛同歩35角

この筋に気が付いたのが遅かったのでしょう。56角が手持ちならば攻めやすかったのです。63金の受けがあり、66歩55歩を入れて(入れないほうが良さそう)74角

74同金53角成41玉22歩同金62馬

銀取りと53桂成がありますから飛損でも結構指せます。後手としては32飛53桂成45角

攻防に飛角を打てば有利でしたが、こういうのは見えにくいですね。(66歩55歩を入れていなければこれはありません。)

 

さて実戦では2つ前の図から56歩72馬57歩成

これは57同玉に52飛というねらいでしたが、実は53桂不成

桂を捨てて馬取りを防げるので先手優勢でした。

 

玉を逃げたので

56角が詰めろで後手有利のはず。32玉81馬と進んで先手優勢のはずが少し後の詰みを逃して後手Kさんの勝ちという逆転続きの1局でした。

 

 

○ さてここまで見てきて、飛を追われる前に切ってしまえば良いのではないかと気が付いたでしょう。

54飛には同歩しかないですから17角まで必然です。

52金53角打41玉71角成

46歩23銀が入っていなくても(後手が得している)先手優勢です。

 

先ほどは触れませんでしたが、17角には44飛とするのが一番粘れそうです。

35角打も見えますが、44同角同歩53角同金62飛

瞬間は角損ですが、これがぴったりの順です。52金72飛成51飛53銀

45桂が残っているうちに寄せきれます。

 

後手が飛を捨てて、2つ前の図から45歩81竜

このほうが長いとはいえ、先手は駒得で攻めているのですから優勢に近いはずです。

 

 

○ あとは工夫ですが15角の王手。

33歩54飛同歩26角

33歩を打たせているだけ先手の得です。

 

後手は駒損を言っている場合ではないので33銀

これは54飛同歩26角44銀

という受けを用意しています。

 

よって先手は33同桂成から別の攻め筋を考えねばなりません。

33同金は54飛同歩22銀が厳しく、33同桂には24銀41桂33飛成

33同桂34桂(飛から行くのはこの桂を打ちたかった)52玉33銀成

後手玉を6,7筋のほうに追うのはちょっと嫌ですが、駒損もなく攻めていけます。

 

 

△ 24角だと

33銀同桂成同桂

今度は24銀を打てません。先手が駒得だけれど攻めを継続するのは大変です。

 

 

△か× 32飛成は

32同玉55金63角

後手玉が薄くなるので飛切りも悪くなさそうですが、ここで64金と出られないのでは不満です。46歩28飛64金37歩39金

難しい攻防ですが24飛成が手厚いので後手もちでしょうか。

 

 

× 35飛は桂にひもをつけていますが

44歩で桂を取られそうです。75歩としてカバーできるかどうか。

45角(66桂ねらい)同飛同歩74歩65桂66歩

桂は取り返せても66桂がありますね。後手が有利になりそうです。

 

 

× 後は53桂成とか不成とか

53同金しかないので手が続くかもしれません。62角63金26角成

桂損で馬を作っただけではちょっと足りません。

 

あるいは62角に33銀と受けられて

54飛同金26角成のほうでしょうか。

どちらも駒損なのです。

 

 

☆ まとめ

戦型ごとの手筋というか、有利になりそうな手があるのですが、自陣が飛を渡しても良い形ならば(「一段金に飛捨て有り」)飛を切ってみる(あるいは捨ててみる)ことです。

実戦では追い込まれてから飛角を切ることになったのですが、最初から切って手が続きました。こういうのを考えにくいというのは、相手の持ち駒を読んでいないからでしょう。頭の中の将棋盤に持ち駒のスペースがあるでしょうか?私の中にもなかったのですが、最近になって少しずつ考えられるようになりました。これは意識すれば鍛えられます。

なんとなく角を打つ手が見えるけれど(これはその戦型の将棋を指す、並べることで思い浮かびます)、相手が小さい駒を持っていれば44に打たれるから成立していないこともあるでしょう。相手の持ち駒次第です。飛では受けにくいのです。

飛を切れそうなときは切ってどうかと考えます。敵陣に打ち込めなくても、良さそうな自陣角がないかと考えてみましょう。