名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20190525今日の一手(その880);飛をさばく

20190525今日の一手

 

4月20日の名南将棋大会から、HさんとJさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。

 

 

一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。

駒の損得はありません。

玉の堅さは先手のほうが少し堅く深いです。

先手の攻め駒は55銀と持ち駒角で2枚。

後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

 

総合すれば先手もちです。

 

☆ 大局観として

角交換振り飛車としては1歩手持ちにして後手の7筋に傷を作っていますから、まずまずの展開です。後手Mさんが54歩と突いて銀を追おうとしたのですが、少し危険な手でした。先手としてはカウンターで何かできれば形勢が良くなりそうです。

 

 

△か○ 46銀と逃げるのが自然な手です。

銀は攻めに使えませんが、守りには役立ちます。85歩78飛74歩76飛と升田式石田流のような形を目指すと88角を打たれるのが嫌なのですが、

77角同角成同桂88角に75歩同歩同飛74歩65桂

後手陣に隙があるので左桂をさばくことができます。これはうまくいった例ですが、後手は用心して駒組みしないとといけません。先手が作戦勝ちになりやすいです。

 

 

△ 実戦は74歩でした。

55歩73歩成は先手有利ですね。74同銀54銀44角78飛

77歩58飛(後に書きますが77同飛があります)52金右64角62金

これなら先手まずまずというところですが、53銀成は勘違いです。53同角があって同角成同金

銀損で攻め駒1枚だけでは劣勢です。

 

53銀成ではなく45銀35角55角

後手の角を追って歩を払えば十分な態勢でした。

 

途中の77歩を同飛

取ることもできました。77同角成同桂76歩には46角72飛75歩

後手の73桂を取るか65桂とさばくか、どちらも先手よしです。

 

後手としては44角ではなく52飛

とすれば57飛成をねらえます。75歩同銀63銀不成57飛成46角

両取りで返されると46同竜同歩56歩58金左55角

これくらいの攻防で互角でした。

 

先手はさらにさかのぼって54銀ではなく64銀

桂取りのほうが厳しいです。72飛78飛75歩同銀77歩

77同飛85桂73歩

73同飛74銀77桂不成73銀不成69桂成

金銀交換で成桂を作られているので少し駒損です。73銀を使いつつ飛車を打ち込んでの寄せ合いになるでしょう。(後手としての最善)

 

後手としては73歩の時に飛車の取り合い

を選ぶこともできます。72歩成同金77桂75銀

こちらは65桂と使えるのが大きくて、64銀74角63歩73歩

というのは先手が指しやすいです。

 

先手は飛の取り合いを回避して73歩ではなく78飛を選ぶと、

75銀で駒損ですが83角

64銀打72角成同金61飛82角68金44角98飛99角成76歩

という進行もあり得ます。後手は歩切れなので駒得を保ちにくいのです。

 

なお銀取りですが78飛

を先にすることもできます。75歩64銀72飛75銀・・・と進めば同じです。

銀の取り合いは55歩74飛72歩

64銀83飛78金

55歩を取って76飛~74歩をねらいます。78金ではなく53銀成から後手陣を乱しにかかるのもあるでしょう。先手もちです。

 

 

○ 78飛は

55歩73飛成は先手有利です。72飛には74歩同銀同飛55歩83銀

飛車を追い73桂を取れます。

 

74歩の時に77歩というのは

77同飛85桂78飛74銀54銀

73歩同飛64角か82角、86歩というねらいが残り、後手は対応しきれません。

 

72金の受けは

74歩同銀同飛55歩64銀62銀78金

先手の歩損ですが73桂が後手の負担なのでゆっくり指しても悪くなりません。

 

あるいは74歩同銀に64銀

最初に74歩同銀78飛としていた時は72飛が厄介でしたが、ここでは72金型です。75歩同銀同銀同飛

銀を取り合うよりも持ち歩がある分だけ先手が良くなっています。

 

最後の後手の受けは74歩で

54銀同銀74飛

55角54飛99角成74歩

駒損は回復できるので先手有利になります。

 

 

△ 54同銀と捨てると

54同銀78飛

85桂73飛成52飛

先手の銀損で竜を作っています。84竜から桂を取っても後手は88角から桂香を拾うでしょう。駒損はなかなか回復しないのですが、後手陣も威張れた形ではないので、まだ良い勝負です。

 

△ 角を打つ変化を見ていきます。36角

あるいは45角でも同じようなものですが、52飛74歩同銀64銀

(54銀では動きにくい)62金78飛75歩同銀同銀同飛

35歩45角44歩に74歩72歩73歩成同歩56角64銀

角を取られるかどうかの攻防です。65飛同銀同角と進むのでしょう、すると飛と銀桂の交換で互角くらい(89桂がまだ働かないから)です。

 

 

△ 53角と打つのは

55歩には74歩同銀64角成

銀か桂を取り返せます。

 

後手は74歩に72飛

75角成85桂84馬

これでも桂を取れるので先手が悪くありません。

 

 

△ 64角を打つのもあって

64同銀同銀85桂78飛

角銀交換でもまあまあ戦えます。

 

64角に62金だと

74歩同銀54銀44角78飛75歩同角

(実戦の順に似ていますが、手順が違うので後手は77歩ではなく75歩を打つのでしょう)

77歩には同飛同角成同桂75銀74歩

飛と歩歩の交換ですが、桂を取って左桂を使えれば十分です。85桂には65桂の跳ね違いが気持ちよいです。

 

 

☆ まとめ

振り飛車の美濃囲いがしっかりしているので駒損でも戦える変化が多かったです。後手が陣形整備をしないで(追い返してからのつもりでしょう)銀を追おうとしたのが危険だったのです。

 

おとなしく銀を引いても悪くはないです。その後で石田流からさばくことができそうです。

カウンターをねらうならば78飛がわかりやすいです。後手は54銀を気にしながら受けねばなりません。

この二つの手は飛車を使うことを考えています。攻め駒を増やすという意味でも飛車の存在を忘れてはいけません。

 

74歩同銀とするのも悪くはないのですが、それから64銀では歩切れなので少し苦労します。

実戦の74歩同銀54銀は厳しくないです。後手に52飛と返されたらどうなるかも読まねばなりませんし。

54同銀と捨てても先手が不利とも言えない、というのは美濃囲いの力です。

 

後は36角とか45角とか53角とか64角とか、(ちょっとひねった感じはありますが)角打ちも成立しています。