後手の85歩型について
96歩と受ける形でもう少しおまけがあります。後手は42銀と待っても互角なのですが、所司先生の本には記載なし。33桂は書いてあって、先手は25歩と突きなさいと。
この時点で評価値は+230の先手良しです。一応調べておくというか、先手の攻撃力を確認しましょう。25同桂は同桂同銀65桂
これは駒得で攻めることになるから、先手有利は間違いなし。64角53桂成同角35歩同歩55歩同歩35飛
43銀54歩64角55銀
これで後手不利だという解説ですが、評価値は-333の先手不利です。先手55銀とせずに39飛と引いておいて+295の先手良しでした。
なぜでしょうか。35銀64銀同歩53歩成までは書いてあります。53同金71角69銀
「両取り逃げるべからず」が適用されて、82角成78銀成同玉55桂
後手玉は金銀3枚が離れているけど働いています。寄せ合いで後手有利だと。
先手は駒得なので急がないほうが良いのでした。
戻って
13銀は55歩同歩15歩同歩35歩同歩15香14歩34歩
端で1歩手に入れると攻めが続きます。34同金35銀同金同角
この図の評価値は+278の先手良しです。
ということで、後手が33桂と跳ねるのは悪手なのでした。先手が25桂と跳ねている形で後手が33桂とぶつけるのは有効なことが多いですが。
今日の話に限らず、時々所司先生 (やほかの先生) の解説に間違いがあるのですが、これは当時のプロの認識が間違っていたということです。実戦例を元にして定跡がつくられるのですが、その勝敗に引きずられてしまうのでしょう。