名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

SS2-1 三間飛車に45歩急戦(4)

さてメインの定跡に近づいていくのですが

37桂に72銀では先手の仕掛けがあります。後手は72銀の前に22飛とするのが最善手。先手はこのまま45歩から攻めてもうまくいかないので、68銀72銀57銀左64歩(これは大事な手です)55歩、その間のどこかで96歩94歩も入れておきましょうか。

左銀を57に持ってきてから仕掛けます。この場合は55歩から。ねらいは55同歩45歩同歩同桂44角54歩。

こうなれば先手成功で評価値は+301の先手有利。実は54歩ではなくて46銀のほうが優れていて、評価値は+816の先手優勢ですが。まあいずれにせよ後手はこれを避けます。

55歩に43銀はどうか。

従来の定跡だと、45歩同歩同桂44角46銀

74歩47銀(ここで35歩が正しいとされていたので後述します)63金56銀73桂

以下は54歩88角成同玉54銀が従来の定跡手順ですが、AIによるとここは68金寄と待つのが良い手だと。

評価値は+278に上がっています。後に57歩と叩かれないし、58飛とまわる余地もあるのです。84歩くらいの手に54歩88角成同玉54銀

44角42飛11角成

45銀同銀左33角というのが振り飛車のさばきですが

33同馬同桂43歩

ここは後手の応手で変化があるのですが、43同飛ならば44香53飛54歩

54同金同銀同飛55銀打

この図の評価値は+687の先手有利。従来の形は58金と83歩で、すると55同飛同銀84桂で形勢不明のようです。

蛇足になってしまいますが、従来は47銀ではなくて35歩の攻め方が正しくて

35同歩32歩33桂

31歩成45桂同銀55角同角同歩

角桂をさばき合います。33角42飛11角成36桂

38飛に54銀同銀27角というのが

びっくりする手順です。後手は銀を捨てて両取りをかけて取り返そうというのですが。36飛同角成に66桂というのがAIの指摘です。

(従来手順は45香同馬同銀同飛で互角です。) 66桂ではなくて55馬でも良いですが、銀を助ければ先手がいいみたいで、評価値は+814のほぼ先手優勢、飛歩と銀桂香の交換で、馬と金があるから駒得が大きいです。

後手は大技をかけずに36桂38飛に48桂成

48同飛に36歩くらいで互角です。評価値は+102。

この図まで戻って

AIによると、先手としては54歩同銀56銀43金55歩

中央の位を取って指すほうが良いと。63銀引45歩同歩16歩

つっかけておいて攻めないのが変わった感じですが、44金ならば45桂51角54歩

金取りと53歩成があるので先手優勢になります。よって後手は4筋を放置して駒組が進みます。

先手は57銀~68金寄まで指してから35歩同歩26飛、これで評価値は+141、先手ペースでこれからの将棋です。

ということを踏まえて、また戻りますが

43銀45歩には55歩を取って

46銀56歩と進めばメインの定跡に近づきます。これが後手の最善。

53銀型と43銀型の違いはほぼないです。

 

後手としては55歩同歩45歩に53銀

が正しい応手で、46銀56歩44歩同銀45歩

45歩のところで45桂は同銀同銀88角成同玉55角の王手飛車の筋になるから成立しません。53銀33角成同桂88角

この形がかなり指されていました。結論としては先手が指せるとされているのですが、AIの評価では0付近の互角です。難しい定跡だというわけですね。

明日からはこの先を見ていきます。