先手の変化として
75歩を突くことはできます。昔は一間飛びの位は悪い形だと言われました。両方を保つことが難しいからです。( 飛先の歩は例外。) 私は位を取ることは好きですが、偶数の筋だけです。こんな奇数2つは大嫌い。なお、2つ並んでいる位は好形だとされていました。
さて64歩28玉63銀38銀85歩56飛
先手はこの位2つは保てないので、石田流への組み換えをねらっています。52金右76飛
後手は72飛として74歩同歩同銀をねらいます。86歩に82飛と戻して
2手損なのですが、85歩同飛78金84飛
87歩には65歩が良い構想で、86飛85歩76飛64銀68銀55銀
後手としては先手の守っていない55歩をむしり取るのが目標になります。この図の評価値は-182で後手ペース。
戻って
先手は何か主張したいところです。87歩65歩77桂64銀86飛
この筋がうまくいくならば、後手は先に85歩を打っておくか、ここで85歩同飛同飛同桂以下が大丈夫かを考える、ということになるのですが。あっさりと86同飛同歩66歩同歩87歩
1歩持っているのが大きく、この利かしが入ります。87同金69飛61飛13角
これは銀を取り合うしかなく、64飛成79角成同角同飛成
この図の評価値は-981、ほぼ後手優勢です。
なお先手が96歩を突いている形でも
87歩の利かしは有効です。97角には89飛~99飛成がありますから。
また戻って
では86歩65歩77桂
歩を突いて8筋を逆襲できるかといえば、54歩85歩64飛
後手の飛は6筋にかわされます。ここで54歩は良い手ではありませんが、87歩同金66歩同歩54飛
この図の評価値は-598、長谷部先生は後手優勢としています。
ひねり飛車の亜流とみれば成立しそうな気はするのですが、本家ひねり飛車は2筋の歩を交換できるのに、ここでは5筋の歩はむしり取られるだけ、さっぱりうまくいきません。