昭和58年9月、青野照市先生と第9期棋王戦です。

大山先生の四間飛車に青野先生は急戦です。これを待っていました。

35歩にはいつもの大山先生なら32金~63銀~72飛とするところなのですが

今回は32飛で左46銀の急戦確定です。42金というのは手がたい受け方で

青野先生としては35歩と押さえてから銀を立て直す「準急戦」くらいしかありません。

37桂や57銀を指さないで4筋の歩を突いていくのがわかりやすい攻め方です。大山先生は12香45歩に55歩とか51角とかで受けるのかと思ったら

63金は普通の指し方ですが1手損です。受けきれるようには見えません。

角交換から飛先を換えれば青野先生十分でしょう。

22歩や22角があるので大山先生はなにか動かねばなりません。44角か銀くらいしかなくて、44角の方を選び

66角に55歩同歩65歩88角54銀。取れば王手飛車なので十分にも見えますが

37桂に55角で角交換

45桂と跳ねられ、32角から桂馬を拾われては駒損です。この形が居飛車の金銀の配置がしっかりしているので青野先生が有利でしょう。

大山先生は桂(+馬)損ですが歩を使って攻めることはできます。

銀を交換して55角でなんとかなりそうですが

99角成では自信なし、でも12銀は悪いからひねったという感じです。

99香は取ったけれども、12銀は空振りに終わりました。

73桂は攻め続けようということなのですが、66桂が痛くて

この銀はかなり厳しいです。62同金には74桂~62桂成か、62同竜71銀74桂か。

52歩の受けに73銀成から金を取られて投了図です。
準急戦の良さがよくわかる将棋でした。37桂は跳ねないで45歩と攻めるのがわかりやすいです。角交換から飛先を切った時に、金銀が前に出過ぎていないので、居飛車の囲いが結構堅いのです。いくら大山先生とは言え、序盤になにか工夫が必要でしょう。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:青野照市8段
後手:大山十五世名人
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5八金(49)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5六歩(57)
14 7一玉(62)
15 3六歩(37)
16 6四歩(63)
17 6八銀(79)
18 8二玉(71)
19 5七銀(68)
20 4三銀(32)
21 6八金(69)
22 7四歩(73)
23 2五歩(26)
24 3三角(22)
25 3五歩(36)
26 3二飛(42)
27 4六銀(57)
28 4二金(41)
29 3四歩(35)
30 同 銀(43)
31 3五歩打
32 4三銀(34)
33 3七銀(46)
34 9四歩(93)
35 9六歩(97)
36 5四歩(53)
37 3六銀(37)
38 5三金(42)
39 4六歩(47)
40 6三金(53)
41 4五歩(46)
42 同 歩(44)
43 3三角成(88)
44 同 飛(32)
45 2四歩(25)
46 同 歩(23)
47 同 飛(28)
48 2三歩打
49 2八飛(24)
50 4四角打
51 6六角打
52 5五歩(54)
53 同 歩(56)
54 6五歩(64)
55 8八角(66)
56 5四銀(43)
57 3七桂(29)
58 5五角(44)
59 同 角(88)
60 同 銀(54)
61 4五桂(37)
62 4三飛(33)
63 3二角打
64 4四飛(43)
65 2一角成(32)
66 5七歩打
67 同 金(58)
68 5六歩打
69 5八金(57)
70 6六歩(65)
71 同 歩(67)
72 同 銀(55)
73 6七歩打
74 5七歩成(56)
75 同 銀(48)
76 同 銀成(66)
77 同 金(58)
78 5五角打
79 2三飛成(28)
80 1二銀打
81 6五馬(21)
82 9九角成(55)
83 3二龍(23)
84 5四金(63)
85 5六馬(65)
86 7三桂(81)
87 6六桂打
88 6五金(54)
89 5四歩打
90 8四歩(83)
91 6二銀打
92 5二歩打
93 7三銀(62)
94 同 銀(72)
95 6五馬(56)
96 投了
まで95手で先手の勝ち