名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20160925今日の一手<その392>; 主導権を取るか相手に選ばせるか

20160925今日の一手

9月10日の名南将棋大会から、NさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは59金が離れているので先手玉のほうがやや薄いか、というところ。
先手の攻め駒は75角58飛で2枚。
後手の攻め駒は44角62飛で2枚。
総合すれば互角です。

大局観として

後手の駒の配置はきれいなのですが、先手の54歩が拠点として働いています。何か駒が入れば打ち込めますし、銀や桂が進出できるところですから攻める手がありそうです。
問題はもう少し待つかどうかというところ。59の金を寄せておきたいのです。でもあまりゆっくりしていると後手から25歩同歩26歩という筋がありますね。44角も銀冠攻略の好位置なので難しいのです。
こういう時に棋風が出ます。自玉を固めて待つか、敵陣にも不備があるうちに攻めるかです。


× まずは攻める手を考えてみます。53歩成(あるいは角成)として

53同金同角成同角55飛

これが両取りです。53に金を残す取り方では44金で受かりますが、駒損しないで53飛成も大きいです。
ここから44角が返し技で、45飛77角成

これが金に当たっているので、48金左53桂ではまずいでしょう。


×先に55飛としても

55同角53歩成82飛52と同飛

77角成が残っていますし、これも指しすぎです。


× もう一つは64銀として

53歩成を狙うのですが、これが実戦です。しかし54銀と拠点を払われますね。85桂(歩を補充)56歩

ここでは苦しそうです。55歩同銀同銀同角56飛99角成53銀

と勢いよく攻めたものの、67飛成52銀不成56竜41銀不成同銀31角成32銀打

これでは攻めが続きません。


○ そこで46歩として

45の銀を移動させます。46同銀に64銀

65桂の応援もあるので53の地点が受かりません。25歩も反動があるし、64同飛同角47銀打

くらいでしょうか。この図で25歩同歩26歩18銀まで入っていれば後手を持ってもよいのですが、後手の玉頭でもありますから反動が大きそうです。(18銀ではなく36銀でしょうし。)先手は61飛から銀をもらって53銀とか、65桂から53歩成とか。後手の攻め駒が少ないので何とかなりそうです。


あるいは46歩同銀に48飛

もあるでしょう。飛車は角と交換するつもりです。

後手は46歩に56銀とぶつけてしまうほうが良さそう。

64銀67銀成53歩成では今一つなので、56同銀同歩45銀

と攻防に打っておきます。77角成53歩成67飛成52と同金31角成

45の銀が34銀と出る筋があって、33銀打には68金打、33馬には68飛、という調子でこれは先手が良さそうな変化です。


○ また、36銀とぶつけるのは変な手に見えますが

36同銀同歩では53銀の傷が残り、取れないで56銀同銀同歩45銀打

という変化であれば46歩27銀の形と同じようなものです。25歩という攻め筋がある分だけ優っているかもしれません。
これは46歩同銀という前にやった変化を避けている意味もあって有力です。


△ 48金上と待ちたいところですが

後手の63金が催促する手で

64歩があるので動かねばなりません。46歩同銀の筋も利きませんから、53歩成同金同角成同角55飛

問題図ですぐに決行するよりも48金上を指せているので得ではあります。44角45飛77角成54銀

これで43銀不成や85飛を見ます。72角が嫌な手で、63銀打同飛同銀成同角65飛62歩

63銀打を角で取るのもありますし、この図も駒損なので難しいです。

また、48金上に33桂なら46歩しかありません。

46同銀は47銀打の変化が消えているので先手よし、56銀同銀同歩53銀

は、後手から67飛成や77角成の変化があるものの、後手玉を薄くしながら攻められそうです。


× 66歩は

何度か出てきた77角成を防ぐ手です。63金から同じ手順なら

66角に68金でこれは先手よし。

ですから後手は66歩には33桂として

銀にひもを付けて53歩成の筋を避けることになります。
さらに48金左と待っていると63金

とされて、これは55飛同角53歩成の筋か。53同金同角成82飛

飛金交換で馬を作っています。でも後手からの66角が好位置で、まだ65銀や77桂をさばいていないのでこれは先手が悪いです。

ということは、66歩33桂に46歩しかありません。

56銀なら77角成がない分だけ先手よしですが、46同銀64銀同飛同角25歩

と互いの急所ですが、2筋を攻められます。この形は36銀とかわしても35歩があるので18銀の形になって、後手からの47銀打が嫌味で自信なし。

46歩同銀に48飛として35銀

やはり25歩が痛いので、44飛同銀64銀とやっていくのでしょうけれど、59金が離れているので飛車の打ちこみが先手になり後手よしです。

☆ まとめ
形勢互角の時は考えても難しい変化が多いわけですが、問題図のあたりで先のことを考えておきたいところです。

53歩成から清算して55飛が両取りだ、と気が付いたらその筋を読みます。ですが、44角から77角成はいかにも後手の調子が良く、先に55飛はどうか、48金左か、66歩が得か、と検討します。ただし後手は33桂でこの筋を拒否するかもしれません。

もう一つは実戦の64銀の筋ですが、54銀と拠点を払われて失敗です。
後手45銀の位置がよい(先ほどの変化では浮き駒だと見て取りに行ったわけですが)ので動かそうということになります。
46歩を考えますが、これがなかなか難しい変化です。46同銀も厄介、56銀も厄介ですが、どうやら先手が指せるようです。
でもよく考えると36銀というのが、守りの銀を攻めの銀と交換しようというので不自然な手ですが、残れば攻めにも働くので好手なのだということになります。まあ56銀同銀同歩45銀打77角成で指せると読まないといけないわけですが。

ここまで読めないよ という方は、48金上でしょう。この1手の価値は大きく、飛車をさばくことを考えると離れ駒になるのですから、納得がいくでしょう。
そこで後手に63金とされたら53歩成が見えるか、33桂なら46歩が見えるか、ということになります。相手の手に応じて考えればいいので少し楽ですが、後手にどちらの筋を選ぶかの選択肢があります。