昭和26年7月、南口繁一先生と第2期九段戦第3局です。

南口先生の先手で矢倉です。

相矢倉になりました。

南口先生は46歩を突いて、銀矢倉にしたいのでしょう。

大山先生の75歩がかなり早いです。この当時の常識85歩を保留して、後の常識73銀も保留しています。

ここで南口先生が76歩を打てば無難ですが

銀を下がらされるのではちょっと面白くないです。後に77歩同歩成同銀をねらうこと思えば1手損ですし。

45歩64歩の交換は少し得なので

後手に石田流のように構えられましたが、形勢は互角です。67金右~77歩同歩成同銀とするのが自然ですが

この当時の棋譜には47金(や63金)というのが良く出てきます。玉の囲いが薄くなるので、良くない感覚でしょう。大山先生は44歩から

交換して53に銀を引きました。この次の図の33角がねらいです。なので南口先生としては15角とぶつけてしまうのが良かったでしょう。16歩が生きますし、角を持って83角や82角があります。15角31角24歩同歩同角23歩46角22角ならば味が違うと思うのです。

受けの棋風の南口先生は67銀33角56金。これで6筋が手厚く

63銀に77歩で盛り返したように見えます。銀矢倉に収まれば予定通り。

55歩は散り切れませんでしたか(55同金54銀右)、46金に65歩

76歩66歩同銀76飛

77銀上74飛75歩

84飛までは妥当ですが、35歩は危険な感じがします。55金に65歩が嫌でも、56金で73桂取りでした。あるいは79玉と待っておくのが現代的か。

8筋を継ぎ歩で攻められて

64歩同銀左34歩で返します。これならば悪くないです。

76銀に65歩

85歩94飛が利いたので、77銀でまだまだこれから。

88歩33歩成同金24歩同歩88金と互いの利かしが入り

75銀に58玉。これが問題の一手です。受けが好きなので75同銀同角~57角成の筋を防いだというわけですが、先手から銀を取らなければ良いわけで、22歩から駒を取りに行くのが有力でした。

36歩(同金は54飛~56歩)26角

76銀同銀75歩67銀25歩。この25歩が意表を突きました。71角成とできるのですが

銀を打ち込まれます。

銀桂交換でも と金ができるので後手大山先生の駒得です。25飛には24飛とぶつける方が早いのですが

35飛に66歩78銀34桂。これが好手で

55金しかないのですが53角

53同角成同金となると、46角があります。37飛でも46角が両取りなので、南口先生の44歩は46角に45飛と受けようという手ですが、攻めの効果がないです。

48と同玉26角。昔はプロの将棋では王手飛車をかける方が不利だと言われたのですが、

駒得が大きく、後手有利です。

62角の両取りに44角というのも気持ちの良い手です。44同金同飛では受からないので

南口先生は42歩32玉73角成とするのですが

飛を打たれ、37玉67歩成も勝てないので

銀合いすれば34桂を使われて

44角を取りましたが、58飛成から

金を取り返されて詰めろ。

45桂に37金まで。清算して59角から即詰みです。17玉と逃げて、28銀に18玉や26玉以下も詰むことを確認しておきましょう。
まだ相矢倉の経験が足りない時代ですが、南口先生の方向が違っている感じです。大山先生の指し方も相矢倉らしくない軽い指し方だという感じがします。
これで大山先生は九段を防衛、木村名人と5番勝負です。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.43 棋譜ファイル ----
開始日時:1951/07/21
手合割:平手
先手:南口繁一8段
後手:大山九段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八銀(79)
4 3四歩(33)
5 7七銀(78)
6 5四歩(53)
7 2六歩(27)
8 4二銀(31)
9 2五歩(26)
10 3三銀(42)
11 4八銀(39)
12 6二銀(71)
13 4六歩(47)
14 7四歩(73)
15 7八金(69)
16 3一角(22)
17 4七銀(48)
18 3二金(41)
19 6九玉(59)
20 7五歩(74)
21 同 歩(76)
22 同 角(31)
23 5八金(49)
24 4二角(75)
25 3六歩(37)
26 5二金(61)
27 7九角(88)
28 4一玉(51)
29 6八角(79)
30 9四歩(93)
31 1六歩(17)
32 9五歩(94)
33 5九角(68)
34 7二飛(82)
35 3七角(59)
36 7六歩打
37 8八銀(77)
38 8五歩(84)
39 4五歩(46)
40 6四歩(63)
41 5六銀(47)
42 7四飛(72)
43 6六歩(67)
44 7三桂(81)
45 4七金(58)
46 4四歩(43)
47 同 歩(45)
48 同 銀(33)
49 4五歩打
50 5三銀(44)
51 6七銀(56)
52 3三角(42)
53 5六金(47)
54 6三銀(62)
55 7七歩打
56 5五歩(54)
57 4六金(56)
58 6五歩(64)
59 7六歩(77)
60 6六歩(65)
61 同 銀(67)
62 7六飛(74)
63 7七銀(88)
64 7四飛(76)
65 7五歩打
66 8四飛(74)
67 3五歩(36)
68 8六歩(85)
69 同 歩(87)
70 8五歩打
71 6四歩打
72 同 銀(53)
73 3四歩(35)
74 4二角(33)
75 7六銀(77)
76 6五歩打
77 8五歩(86)
78 9四飛(84)
79 7七銀(66)
80 8八歩打
81 3三歩成(34)
82 同 金(32)
83 2四歩(25)
84 同 歩(23)
85 8八金(78)
86 7五銀(64)
87 5八玉(69)
88 3六歩打
89 2六角(37)
90 7六銀(75)
91 同 銀(77)
92 7五歩打
93 6七銀(76)
94 2五歩(24)
95 7一角成(26)
96 3七銀打
97 同 桂(29)
98 同 歩成(36)
99 2五飛(28)
100 2四歩打
101 3五飛(25)
102 6六歩(65)
103 7八銀(67)
104 3四桂打
105 5五金(46)
106 5三角(42)
107 同 馬(71)
108 同 金(52)
109 4四歩(45)
110 4八と(37)
111 同 玉(58)
112 2六角打
113 3七銀打
114 3五角(26)
115 6二角打
116 4四角(35)
117 4二歩打
118 3二玉(41)
119 7三角成(62)
120 3六歩打
121 同 銀(37)
122 6八飛打
123 5八銀打
124 4六桂(34)
125 4四金(55)
126 5八飛成(68)
127 3七玉(48)
128 3八桂成(46)
129 2七玉(37)
130 4四飛(94)
131 4五桂打
132 3七金打
133 投了
まで132手で後手の勝ち