名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20190324今日の一手(その849);詰めろ逃れの詰めろ

20190324今日の一手

1月12日の名南将棋大会から、MさんとIさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と金香(歩5は数えず)の交換で、成桂を作られています。先手が少し駒得ですが、終盤なので同等と見る方が良いでしょう。
玉の堅さは(相手の駒を考えずに)同じくらいです。
先手の攻め駒は91角56香と持ち駒金桂で4枚。
後手の攻め駒は44角87成桂と持ち駒飛銀銀香で6枚、ですが4枚以上は同一視します。

総合すれば互角です。
現状は先手玉が詰めろ、後手玉が詰まないので後手有利です。

☆ 大局観として
寄せ合い1手負けの状態です。もっと早く気が付いていれば易しかったのですが、ここまで進むとかなり難しくなっています。
先手玉は詰めろですから、間に後手玉に王手をかけることはできますが、詰まないのですから先手玉の詰めろを受ける(1手かけて2手すきにする)ことが必要条件です。
しっかり受けて3手すきにできれば(後手の詰めろが続かなくなれば)逆転です。あるいは詰めろを受けながら後手玉を詰めろにする(詰めろ逃れの詰めろ)ことができれば逆転です。
このあたりの事情はお判りでしょうか。このブログでは何度も取り上げています。


× 受ける手を考えてみます。88金打が手堅そうです。

しかし99飛同玉98銀

これは1手かけて受けても1手すきのままでした。


× 98金ならば

詰みは逃れていますが、98同成桂には同飛しかないでしょう。87飛

持ち駒は桂を打てるだけです。88金の移動合は同角成同飛98金

で詰み筋です。88飛の移動合でも同じ筋にはまります。

88桂では97歩

87飛に当たっていない受けではだめです。

78玉には67銀

飛車を取ると詰みます。67銀ではなく57飛成でも困りますし、後手からの詰めろはいくらでもあります。駒損の受けではまずい場合が多いのです。


× 66歩など

44角の利きを止めると、97飛98歩94飛成

受けに回られても困りますし

78歩同飛67銀

という寄せの手筋もあります。
どうやらしっかりした受け(受けて詰めろを回避する)はなさそうです。


では攻める手を考えてみましょう。寄せのセオリーで小さな駒の王手から。
△ 63歩は最初に考える手です。

63同銀以外の応手は金を打って44角を消去できます。55桂

で詰めろ逃れの詰めろです。後手の応手が67飛、54歩、53歩、54銀打などありますが、例えば54銀とかわして64歩55銀

63歩成同玉55香54歩

というような攻防で変化がいっぱいあります。先手玉の詰めろは消したけれど安全ではない、後手玉に迫れるかどうかの勝負です。


× 実戦は52金でした。

71玉に55角成

で詰めろ逃れの詰めろです。しかし55同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香67角

までは見ていないのですが、詰まされて先手Iさんの負けだったのでしょう。ここに角を打たれるとだめなのです。


× 54桂のほうを先に考えるのですが、説明の都合でここに書きます。

52玉にもどうしたらよいかわからないのですが、71玉に55角成(詰めろ逃れの詰めろ)だと同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香67角

で負けだというのは同じです。

52金よりも優れているのは62金

と追えるからです。44角が消えるのは歓迎だとして、81玉72金同玉73歩

63玉もあります。73同金同角成同玉74歩同玉85金63玉

たくさん王手はかかるので、実戦だと間違えてもらえる確率が少し上がりますが、後手玉を詰ますところまではいかないでしょう。


○か× 68飛の王手は

後手が67歩を打ちたくなるのですが、そこで55角成(詰めろ逃れの詰めろ)同角(詰めろ逃れの詰めろ)同香

角を渡しても67に打てないのです。これも詰めろ逃れの詰めろなんですね。まだ後手に受けの手段があるとはいえ、逆転しています。

でも68飛に64香

だと困るのです。王手が途絶えるのでこの香は取れません。66桂にも同香同金78歩

55銀はありますが、63桂など守られると78飛67銀

受けが無くなります。


○ 王手ではないですが66桂は

2手かけて王手というか、74金をねらったというか、ともかく金を取れば詰むのですから、詰めろ逃れの詰めろです。73金には74歩(詰めろ)63金73金

清算して74歩を打てば

詰みます。

84金とかわせば63歩

6,7筋に歩を打てるので詰めろを続けるのは簡単です。


☆ まとめ
自玉に適当な受けがないというのはわかったでしょうか。後手の攻め駒が多すぎます。

どこかで後手44角筋を止めるあるいは消去せねばなりません。
63歩同銀55桂は有力ですが、形勢不明
68飛は勝負手
66桂は勝ち
という結果でした。このあたりは読むしかないのですが、66桂はぴったりした手だなあという感じがします。