20180816今日の一手

4月7日の名南将棋大会から、MさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手(この先の構想が伴います)を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
銀と桂歩歩の交換(後手は歩切れ)で馬を作っていますから少し先手の駒得です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は73馬と持ち駒桂で2枚。
後手の攻め駒は33角91香と持ち駒銀で3枚。
総合すれば互角か後手もちです。
☆ 大局観として
後手に33角のラインで攻められています。少し駒得ではありますが、放置すれば76歩から明らかな駒損になります。
48銀の位置がひどい(飛銀が守りに働いていな)ので作戦負けなのでしょう。ここではなるべく駒得を保ちながら、先手玉の安全度を確保したいところです。
受けに回るならば少し駒得しておきたいのですが、欲張るとつぶれてしまいます。駒得よりも先手玉の安全度を重視しましょう。(後手の攻め駒が減る駒得ならば歓迎です。)
× 75同歩は一番普通の応手ですが

96香同香76歩

72馬77歩成同金51飛

先手の駒得とも言いにくくなってきて、先手玉は問題図よりも薄いです。まだ難しいところはありますが後手有利でしょう。
○ 一番強い受け方は44桂で

44同銀同歩同角55銀同銀同歩

後手の持ち駒(攻め駒)に銀桂が加わりましたが、後手玉も薄くなりました。85桂か76歩から攻めるのでしょうが、先手も反撃に出やすいので良い勝負でしょう。
○ 実戦は55桂で

55同銀同歩71飛、ここで82馬76歩67金寄85桂

71馬55角77歩同歩成同桂同桂成同金上28角成

後手は飛車を取られても王手飛車があるから強く攻められるわけですが、この図は後手もちながらも先手がまあまあ指せたはずです。
説明が前後しますが、先ほどの44桂から同じ手順に進むと

先手の44桂が厳しいので先手有利です。後手は激しく攻めるのは考えものだということになります。だから44桂から後手玉を薄くしておくほうが実戦的です。
さて実戦の手順は71飛に72銀

飛車を捕獲したのですが、72同飛同馬55角37桂76歩

71飛42玉56歩に77歩成同金76桂

あっけなく詰まされて終わりになりました。銀飛交換に喜んでいる場合ではなかったというわけです。
では72銀は悪手かといえばそうでもなく、37桂と跳ねずに71飛42玉73馬

73同角同飛成46角37角73角同角成

先手の駒得でも後手の攻め駒は4枚。後手が少し良いのですが、先手は64歩~63歩成で金を手に入れられるから、まだ難しいところでした。
△ 72馬とすると

76歩81馬77歩成同桂

76歩には71飛なのでまあまあ。
72馬には51飛そこで44桂はどうか。

76歩同金63銀打82馬45銀

打った桂を取られそうで面白くはありません。桂を犠牲に先手玉を安全にした、と考えるには駒損が痛いと思います。
× 67金上は58銀

または66銀ということになります。(ここで金を上がるならば問題図以前で77桂成同金上の形にできたのですが。)ここで44桂同銀同歩同角55銀同銀同歩

としたら、71飛82馬67銀成同金66銀78銀67銀成同銀76歩

どんどん攻められて先手玉はより薄くなっているので、67金上58銀という手の交換はまずい取引だったということになるのです。
後手はどこかで(78歩85桂68銀に)81金

飛車を取らせて55角の催促が利くようになります。
× 68桂は

駒を打つ方が手堅い原則に従っていますが、76歩同桂75歩64桂76歩

52桂成同玉57銀77歩成同桂

52玉の位置も危ないようなのですが、96香同香76歩44香77歩成同金85桂

互いの攻撃力が違うので後手が勝ちやすいです。
× 98玉とかわすと

96香97歩同香成同桂96歩

あるいは97香成を同玉76歩

どちらも後手は香を捨てても駒を取り返して攻めが続く形です。
△か○ 66歩は

76歩同金66歩77歩67銀

これは食いつかれています。
66歩には44桂で

44同銀同歩同角55銀同銀同歩

67銀66金78銀成同玉

55歩を73馬66金の二枚で支えているのは心強いけれど、先手玉も薄いです。71飛には72歩があるから案外に有力なのかもしれません。
この場合は後手の攻撃力が上がりにくいように55桂

のほうが良くて、55同銀同歩67銀66金78銀成同玉

のほうが受けやすいです。ここは使い分けましょう。
× 他には24歩同歩

を入れれば先手の28飛も攻め駒になるのですが、後手に歩を渡すと受けにくくなってしまいます。
× 44歩同角

も同じですね。44桂が消えている分だけさらにマイナスです。
× 55歩はあるのかもしれません。

後手は55歩を取る前に71飛82馬76歩

67金寄55角同馬同銀82角

うまくやったようですが、66銀71角成67銀成同金55角

飛車を取っても王手飛車があります。71馬の位置が悪いし先手玉が薄くなっているので後手が有利です。(飛車を取って58飛が痛いのです。)
☆ まとめ
先手を取って後手の角筋を止める手段はありません。
後手は歩切れでも75同歩は96香同香76歩でまずく、
玉をかわす98玉は成立せず、
67金上や68桂では利かされ。
となれば前途多難なのですが、幸いにして44桂や55桂で後手玉を薄くすることができます。反面では後手に攻め駒を渡す(しかも手番も渡す)ので、常に良い手とはいえず、その先を読まねばなりません。
これは問題図での形勢が後手もちだからです。相居飛車で48銀のまま、飛車の横利きがない形で攻め込まれたら分が悪いものなのです。
44桂か55桂かの比較は難しいのですが、元が良くないと思えば44桂で駒を余計に渡す(銀歩の持ち駒を増やさせる)ほうが勝負手です。勝負手不発ならば、簡単に寄せられて負けの場合もありますが。
先手として工夫できるのは(67金上、68桂は駄目でしたが)66歩76歩同金66歩の形で55桂。かなり考えないと良いかどうかわかりにくいですが、先手玉が薄くなっても66金や72歩が生じるので受けやすくなっていました。