20180211今日の一手

10月28日の名南将棋大会から、OさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香と歩の交換で後手に持ち歩があります。馬を作られていますし、先手の駒損です。
玉の堅さは同程度。先手玉のほうが深い(戦場から遠い)ということは言えます。
先手の攻め駒は71角65銀で2枚。
後手の攻め駒は97馬と持ち駒香で2枚。
総合すれば後手もちです。
☆ 大局観として
先手の駒損で58金も中途半端、少し苦しいです。
すぐに駒得にできる手段は見えません。馬を作ったら少し改善ですがそれでも香損です。
駒損なので玉を固めて待っていればよいというわけにもいきません。
であれば攻め駒を増やしていくというのが目標になるでしょう。68飛を使える展開にしたいです。
△ 実戦では26角成と馬を作りました。

悪い手ではないですが、1手の価値は低いです。75馬54銀と進み、66香

から64歩を払われたら苦しかったと思います。
実戦では66香ではなく56歩だったので53銀成

と攻め込みました。(56同歩のほうがましでしたが。)53同金同馬57歩成78飛76香

駒損が広がります。77歩58と76歩57馬63歩成48銀

薄い穴熊ですから手が付けば速く、あっという間に寄せられてしまいました。
もっと慎重な手を選ばねばなりません。54銀では76歩

で馬の位置をずらすべきでした。66香75歩68香成同金

というのは後手は飛車1本で怖くないです。
馬を逃げれば

これくらいの図です。(85馬36馬62歩54馬)駒損ですが85馬の働きが悪いのでまあまあでしょう。
○ 自然な手は54銀で

攻め駒の銀が前進すると68飛を使いやすくなります。62歩と受けられて後続がないようにも見えますが53銀成

と切り込めます。53同金62角成42銀63歩成

63同銀には53馬のほうが得で、53同銀63飛成42銀

戻って63同金なら72馬のほうが得で

72同飛63飛成82飛

同じような図になり先手番です。竜は作ったものの角香と金の交換で駒損は広がりましたが、攻め駒は4枚になりました。61竜~63歩~62歩成、後手の攻め駒が少ないので、切れないように少しゆっくり攻めれば先手よしになっていきます。
他には62歩に63歩成

としてみると、63同銀同銀成同歩は41銀

として十分攻めが続きます。
63銀成を同金と取ると

83銀93飛72銀不成

これも十分です。
後手は63歩成に同歩だと

53銀成51金63成銀

63同銀同飛成62銀同角成同金64竜

83銀や84竜を防ぎにくく、これも先手が指せそうです。
△ 63歩成と捨てて

スピードアップするのもあります。63同銀に64銀

64同銀同飛62銀同角成同金84飛

82香から飛車を追い返されて形勢互角です。
途中62角成とせずに41銀を利かせようとすると

75馬52銀成64馬62角成

というのもありそうですし
後手は64銀に96馬

と受けるのもあるでしょう。
互いに変化する順があり、形勢不明で進行しそうです。派手な展開になれば香損の意味が薄れてきます。
× 56銀と引いて75馬

では銀が攻めに使えなくて悪いでしょう。
△ 48金寄と固めて待てば

87馬82歩77馬

82歩を打てたのは良いですが、飛車を追われて千日手かも。
あるいは後手は75馬で76歩

という進行かもしれません。この後85馬に54銀62歩、

馬の利きで53銀成が成立しにくくなっています。手が作れないとじり貧です。
☆ まとめ
飛角銀をさばく=攻め駒を増やすということなのですが、飛車の利きを遮っている銀を移動するというのが自然でしょう。自然な手を選べば後続の手段があることも多いです。(形勢が悪いとだめなこともあります。)
駒を取りながら前に進む54銀が一番自然で、62歩で手がない、と考えを打ち切らずに手を探します。派手に53銀成というのもありますし、63歩成でも手が続くことを確認して、問題図で54銀と出るのです。
駒の働きを良くする26角成も自然ですが、空成りだと1手の価値は小さいです。
63歩成から銀をぶつけていくのは速い攻め方ですが、後手にも対応策がありました。
形勢が少し悪い時というのが考えるべきところで、守って(48金寄)おいたほうが後にチャンスがあるのか、攻めたほうが良いのか、という方針を立てます。この時には形勢判断、さらには将来の形勢を考える大局観が役立ちます。
攻めるならば自然な手を優先して選ぶべきで、攻めが続かないように思えても、もう少しないかな?と掘り下げる価値があるものです。
手が続かないというのは実は自然な手を逃しているかもしれません。もう少し自然な手はなかったか、と戻って考えます。26角成が自然だ、で打ち切らないで、もっと自然な手がありました。