20170926今日の一手

7月16日の名南将棋大会から、MさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と銀歩の交換で歩はカウントせず、やや先手の駒得です。終盤なのでこれくらいなら損得なしに近いです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は91竜と持ち駒角銀桂香で5枚。十分です。
後手の攻め駒は37桂と持ち駒飛桂香で4枚。これも十分です。
総合すれば後手有利です。
何手で詰めろになるか考えてみると、後手玉は35桂では詰めろになっているかどうか。もう一手必要そうです。現状3手すきくらい。
先手玉は49桂成でも29飛38玉19飛成でも詰めろにならず、現状3手すきくらい。
手番は先手なので寄せ合いは先手有利です。
☆ 大局観として
先手玉に受けがあるかどうかを判断して方針を決めます。
後手の攻め駒は4枚プラス66馬と使うこともできるので受けきりは難しそうです。
29飛や49桂成は怖いのですが、それでも詰めろではないことを確認出来たら、角銀を渡さずに詰めろあるいは2手すきをかけることを考えます。
実戦なら残り時間の制限があるので難易度が上がりますね。あなたの直感では攻めでしたか?受けでしたか?
× 普通の受けは39金ですが66馬

で詰めろをかけられます。48桂59飛68金

まだまだに見えますが、48馬同金29桂成17玉39飛成

詰めろで金の補充も利きますから受けなしです。
68金の前に45銀同歩を入れたとしても

29桂成同金(29同玉は48馬)37銀

どんどん攻められて勝ち目がありません。
57に駒を受けるほうが良いのですが

59飛68金57桂成同銀引同馬同金38歩

といううまい攻め方がありますし
24桂

を入れられても勝てません。
× ということで実戦は38銀

と打って受けたのですが、49桂成同銀右37金

37同銀同桂成同玉45桂48玉66馬57香37銀

駒損で受けていても勝ち目は少ないのです。下に落とされたら負けです。
49桂成には同銀左

が普通の取り方ですが、24桂48桂(この交換を入れないのもある)37歩

と打たれるのが痛くて、駒損を重ねるので勝ち目が薄くなります。
× 他の受け方は45銀で

49桂成には34桂を見ていますから攻防になりそうです。

でも45同歩

と取り返されると99馬の利きが後手玉まで通ります。37玉29飛35桂28銀38玉34香

というのも後手の勝ちでしょう。
○ 寄せ合いなら35桂

が一目ですね。
寄せのセオリーで考えて、直接王手は意味なし。32金を狙うのは24桂や21銀ですがかわされても手抜かれても効果は薄そう。23銀を狙う手を考えます。
最初にこれが詰まなさそう、と書きましたが、実は詰めろなのです。
29飛38玉19飛成に23桂成

23同玉は21竜から上から押さえつけていけば簡単です。
23同金に31角33玉42角成同玉43銀

43同玉に41竜42合32銀で金をもっています。
後手が詰めろに気が付いて41香と受けたら

45銀同歩23桂成同金35桂

これも詰めろ。金駒をもう一枚渡さなければよいので寄せられますし、危なければ37桂を取ってしまえばよいです。
○ 24香もあって

寄せのセオリーならばこちらを先に考えます。これは詰めろではないのですが。
24同銀には34桂33玉42桂成

42同玉には51角、42同金には31竜、金打の合駒ができないので詰めろが続く形です。
後手が手抜いて49桂成なら、23香成同金35桂というのでも良いですが、34桂

が明快です。33玉23香成同玉42桂成

とはがしていけばわかりやすい詰めろが続きます。
後手が29飛~19飛成でも同じことです。

☆ まとめ
問題図を見て、最初に受けを考えるか、攻めを考えるかは棋風によります。
でも後手の攻め駒の数、攻め筋(桂香だけでも攻めに使える)を少し考えれば受けきりにならないという判断は早めにできると思います。
後手の攻めを手抜けるか、どれだけ先手玉がもつか(何手すきか)を確認し、手数が伸びる受け(早逃げとか一回埋めるとか)があるなら考慮します。
そのあとは寄せのセオリーを意識しつつ、攻め筋を考えるだけです。
24香は見えにくいかもしれませんが、35桂はぱっと目につくと思います。
後手玉には2手すき以上で攻めることができるので、実は先手が有利な局面でした。崩れた美濃囲いですが、後手の銀冠よりも広かったのです。銀冠で13玉と逃げ出すと攻めが届かない(懐が広いと表現しますが)ということが頻出しますが、先手が31角と打つ含みや、上から押さえられる形でした。
実は問題図の4手前

後手Aさんは攻める前に42金右と固めてから(91飛成との交換になった)万全の体制で寄せに行った、というはずだったのですが、これがために35桂が詰めろになったり、24香~34桂が厳しくなったり、と裏目に出るところでした。好手に見える悪手でした。先手Tさんは攻める手に気が付かず、悪手をとがめきれずに好手にしてしまったのです。
おもしろい終盤ですね。