名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20170427今日の一手(その499);クロスカウンター

20170427今日の一手

4月2日の名南将棋大会から、KさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩損ですが、持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は58飛35銀で2枚ですが、68角は加えてもよいでしょう。現状3枚です。
後手の攻め駒はありません。

総合すれば先手が作戦勝ちで指しやすいです。


☆ 大局観として
先手の中央位取り中飛車で、後手は63銀73桂の形を作ったのですが、これはほぼ作戦負けになります。角筋が止められているので6~8筋からの攻め筋がありません。仕方なく35に位を取り玉を固めて待ち

54歩同歩35銀(45銀98香95歩で問題図)と動くのではなく、36歩同歩同銀とするのが手厚い指し方でした。さらに35歩で位を取り返せば作戦勝ちが広がります。

もう一度問題図


後手は攻め駒がないので、怖い手はありません。角筋を通されて(34金しかないので怖くないですし)99角成も77角とぶつければ良さそう。
34歩と固められるのが嫌ですね。その時か前に何か動く手はないか、と考えます。
(後手は95歩と伸ばして待ったのですが、34歩から収めてしまうほうが良かった。)

△ 何か待つなら19玉と

18香としたのはかなり前ですが、穴熊にするのは有効な手です。34歩に46銀もありますし、46歩

という取り合いもあります。35歩45歩34銀46銀

局面が戻ったようですが、これは1局。先手からは36歩同歩同銀があるので、44歩に同歩か35銀か36歩か、まだ長いです。


× 実戦は36銀とぶつけて

攻め駒を増やしたのですが、36同銀同歩34歩

銀は退却するしかないです。46銀に78銀

というのが変な手(筋の悪い手)なのですが、案外に有効で、57飛65桂37飛、と飛車を活用したら69銀成

で角が死んでしまいました。それでも57角として桂と交換(69成銀が遊んでいる)するほうが良さそうでしたが、35歩68成銀34歩同金35歩33金引34銀

強く攻めているようでも駒損で、攻め駒が足りません。まだ戦えるとはいえ悪くなるばかりでした。


△ 25歩同歩

は入れておきたい筋です。さてここでどう攻めを続けるか。24歩12玉17桂13桂

1歩あればというところですが、ちょっと足りません。

戻って36銀とぶつければ

36同銀同歩13銀でも24歩

24同銀同銀同金に同角と強攻して、同玉35銀

33玉には53金が詰めろ。23玉には34銀打12玉15歩で相当です。

後手は13銀ではだめで、34歩の催促。

24歩12玉23銀同金上同歩成同金24銀

24同金同角33銀68角23銀

角を引き上げるしかなくて、銀を埋められた図は先手が歩切れで難しいです。

もう一回戻って36歩

としてみます。34歩に24歩12玉37桂

今度は桂を使います。35歩45桂は十分ですが、44歩45桂同歩23銀

これは後手の持ち駒が銀から桂に変わりました。23同金上同歩成同金24銀46桂

やはりちょっと足りません。


○ 先ほどの変化、持ち歩が少なかったのが問題です。黙って36歩として

34歩に37桂44歩

と(25歩同歩24歩を入れないで)桂を使います。やはり後手は銀の取り合いではまずいので44歩と我慢。ここで45桂と取るのではなく、24銀同金25歩

金と銀を交換するのが好手順です。25同金同桂24歩に46歩

今度は桂と銀の交換です。こういう駒得で攻めが続くのは切れないのです。この裏の駒損の受けでは受からないというのもほぼ正しい命題です。


△ 理想的には55歩

として飛車を使いたいです。55同歩なら75歩

というのも攻めの筋。75同歩に55飛54銀引74歩

で技あり。65桂にも同飛同歩73歩成

92飛に63と同銀25歩

となれば楽勝ですね。

63と に34歩でも

24銀同金53と45銀24角

から強攻して勝ち筋です。(24同玉に36桂よりも25歩から追うほうが良い。)

戻って75歩に84飛なら

25歩同歩55飛54銀引同飛

54同銀24歩12玉23銀同金上同歩成同金24銀同銀同角33銀

と長いですが飛車切りからは前に出てきた手順です。68角と引き上げるのは駄目でしたが、33同角成同角32金

後手の飛車の横利きがないので金を打てました。、99角成には24歩をみて寄りです。

最初に戻って、55歩に同歩ではなく、34歩

の時にどうするか。54歩35歩53歩成

となるのはまあまあ。

でも54歩に同銀

は難しいのです。46銀と引き上げて、52飛か44歩で中央の戦いになるのは今一つ。後手の角が働きませんが、63銀73桂は働いてきます。


△ 他には75歩同歩

の利かしは得なような損なような。後手に持ち歩が増えると、55歩の筋はやりにくくなります。(54歩の取り込みに57歩から連打される変化が増える。)先手に持ち歩が多ければ74歩の筋でかなり戦えるのですが。


× 46歩はもったいなくて、34銀36歩

で悪いこともないのですが歩切れで歩損です。単純な銀交換は、実戦で出てきた78銀の筋も生じます。



☆ まとめ
さかのぼれば、問題図の前で

35銀と歩を取るのではなくて、36歩同歩同銀

とするのが筋の良い指し方でした。位を奪還して玉頭を制圧してしまえば、後手の主張はなくなります。

問題図では攻め駒が少ないので苦労します。

実戦の36銀は守りの銀を攻め駒にするという非常手段。それなのに35の銀を追い返されて少し悪くなりました。

一目は25歩同歩とすれば何とでもなる、という気がするのですが、1歩しかないのです。案外に戦果がありませんでした。それから36銀とぶつけてももう少し足りません。

36歩として34歩に37桂というのがクロスカウンター。(ボクシング用語ですが、あしたのジョー世代にはしっくりきます。)相手が動いてくる反動を利用して決めます。
44歩の我慢にも、24銀同金25歩というのが強烈で、これは34歩を打たせたことにより威力が増しているのです。
攻め駒が少ない時にはこういうテクニックが必要です。少し前には大駒をおとりにするテクニックを書きましたね。

攻め駒が3枚以下のときにはテクニックを使って攻めないとすぐに切れてしまいます。だから初心者向きではありません。ちゃんと4枚の攻め駒を使える定跡を学ぶことを勧めます。(さらに言えば振り飛車よりも居飛車のほうがわかりやすいです。)
この場合は問題図の前で、位を取り返す36歩同歩同銀、という手の感触を覚えておきましょう。じっくり組んで攻め駒を加えていきます。

その他には、19玉と固めておくのはほぼ悪い手ではありません。余裕があれば考えておくとよいです。

玉頭だけの攻めでは飛車を活用していないので、55歩は考えてみたい手です。55同歩75歩以下は快勝に持って行けます。ただし後手が55同歩と応じてもらえないと苦労します。