
3月20日の名南将棋大会から、私とMさんの将棋です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
序盤から。

対四間飛車の急戦では、37桂~45歩というのはかなり優秀な戦法なのですが(金銀4枚で守って飛角桂だけでも十分に攻められる)、46歩には54銀とされるのが困ります。後手が54歩と突いてあるなら(四間飛車なのでなかなか突いてもらえない)よいのですけれど。つまり37桂に65銀からの玉頭銀(48金左76銀の図)

がかなり厄介なのです。47銀45歩33角成同桂24歩同歩同飛46歩

二枚銀の形で待ったのですが、45歩から強くさばかれました。46同銀直には13角で困っていたのですが、見逃してもらって35歩だったので77歩

と打てて難しくなりました。85銀23飛成36歩33竜37歩成で問題図。

☆ 形勢判断をします。
先手は2歩損です。持ち歩があるのでカウントせず。竜と と金の作り合いで、ほぼ損得なしです。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。85の銀も守りに役立ちます。
先手の攻め駒は33竜と持ち駒角桂で3枚。
後手の攻め駒は42飛37と 持ち駒角桂で4枚。
総合すれば後手が有利です。
☆ 大局観として
この局面自体は後手の有利。37の と金をうまく取り払ったら先手の駒得(竜がある)で玉は薄いけれど互角に近くなります。うまく取り切れるかどうかが問題です。
竜と銀どちらでも取りにくいですね。どうしましょうか。
思い切って取るか、代償を求めるか。代償は11香を取っても足りないので42飛をいじめることになります。
× まずはだめな手をあげておきます。37同銀49飛成

と金を払っても後手も竜を作り寄せあいに入るのはやりたくないですね。玉の堅さが違いますし、33竜を移動しなければなりませんから攻めが遅いです。
× 42竜同金

というのも損ですね。
△ 37同竜はどうか。

45桂と打たれるのが嫌味で、45同銀同飛46銀25飛26歩

飛車を成らせないために46銀や26歩が仕方ないのですが、これらは少しマイナスの手です。21飛に33歩31歩44桂42金34桂41金43角23飛

ついべたべた打ってしまいたくなりますが、たいした戦果はありません。
戻って33歩では歩切れになるので44桂

から32桂成で飛車をいじめていく(24飛に33角から香を取る)ほうが良さそう。これでも少し悪いですがまだ戦えます。つまり他におもわしい手がなければ、この図が候補です。
× 実戦は34桂と飛車をいじめに行ったのですが、43飛

で当てが外れてしまいました。竜を逃げると36と で困ります。43同竜同金41飛34金11飛成に76桂

と強引にこじ開けられて、76同歩44角31竜99角成

というのは先手敗勢です。(この後55角に同馬ではなく)98飛か88香同角98飛とすれば簡単だった。)
○ 飛車をいじめるなら31角の方が良く

43飛35竜84歩22角成

と金は取れなかったけれど馬を作った、と主張します。36歩に38歩同と36竜54桂45銀46歩48歩

こういう感じで、竜プラス馬の存在感を生かして受けていきます。後手の指し方も難しく、互角以上になっている感じがします。
△ ひねると35竜を先にして

84歩に33角32飛34歩

角は33から打った方が得ですが、飛角交換でさばかれます。33飛同歩成36歩41飛47歩42と

と金での剥がし合いです。62金51と71金31竜61桂

悪くないように見えるのですが、44桂と攻めを続行すると、48歩成同金同と同銀54角52と65角打

持ち駒が歩しかないのでまずいのです。
戻って42飛成48歩成同金同と同銀24角44竜13角打

桂馬を温存しようとしても、やはり2枚角で攻められる順があります。
と金を作って悪くなさそうに見えるのですが、攻め合いになると玉の堅さの差が出てしまいます。
△ 最後は44歩

36歩に55桂51桂34角の攻め合いです。47歩に

43歩成同桂同桂成同金同角成同飛同竜48歩成同金同と同銀

駒の損得もあまりなく、悪くなさそうに見えるのですが、まだ後手玉のほうが堅いというか、43竜が攻めに働いていないので、寄せ合いにはなりません。26角から攻められた時に受けにくそう。(なお、どの変化も48歩成を同金と取るのは、銀で取ると清算して59銀で薄くされるのが嫌なため。)
また、桂馬を35から打って

51桂に23桂成47歩32成桂

と飛車を取りに行っても、32同飛同竜48歩成同金同と同銀75桂

として王手竜取り狙い。(この図は金桂と飛の交換で駒得ではないのです。)
35竜に45歩57銀(取れば87桂成同玉54角)65角

筋悪く攻められてまずいようです。
☆ まとめ
と金を払うのが自然な手で、銀ではまずいので37同竜が最初の候補です。45桂と打たれて飛車をさばかれるので、ちょっと損な取引ですが、やってみればまあまあです。
それ以上の手があるかどうか。
42飛を狙うのですが、駒や手数を投資して取りに行っても、後手からは と金攻め(36歩~47歩~48歩成)があるので逆転には至りません。悪くなさそうに見えても玉の堅さで負けそうです。
31角から43飛35竜84歩22角成、で馬を作ってけん制しながら指す、というのが最善です。さんざん検討してわかったことなんですが。
こういう差に気が付くのはかなり難易度が高いのですが、それはもとの形勢が悪いから。やはり定跡から学ぶというのは大切なことなんです。対振り飛車の急戦定跡は、しっかり勉強しておけば少し居飛車が有利になるはず。有利になったら自然な手を積み重ねて寄せていくことを学べばよいです。