20160919今日の一手

8月13日の名南将棋大会から、KさんとTさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
先手の2歩得ですが、後手に持ち歩があるのでカウントしません。損得なしとします。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は86飛は数えてよいでしょう、持ち駒角と合わせて2枚です。
後手の攻め駒は24飛44角で2枚。11香も働きそうです。
総合すれば互角です。
大局観として
後手は角を手放して2筋から攻めようとしています。相振りで出てくる美濃崩しですね。これがうまくいくかどうかで評価が変わります。
この時後手の持ち歩の数が問題で、もう1歩あれば26歩同歩27歩同銀26銀という攻めが有効になります。この場合先手玉が広いので2筋を破られたとしても勝負になることが多いのです。
後手はもう1歩がないので15香と捨てて攻めようということでしょう。それをどうとらえるか。①香車を捨ててくれるならどうぞ攻めてください、という方針、②攻め駒を責める方針、③攻め合いにする方針、どれもありそうです。この時に後手玉の堅さが関係していて、もろい時は寄せ合い、まあまあ堅い時は受けるか攻めるか悩むところ、もっと堅い時は受けてしまうしかない、ということになるのだと思います。
後手玉を攻めるなら8筋を押し込んでいるので6筋から、64歩同歩65歩同歩64歩という筋ですね。金無双の弱点です。歩しか渡さない攻めなのでリスクが小さいのがいいところですが、この場合は後手が1歩でも欲しいところですよね。だから悩みます。
受けるならじっと形を整えて待つべきか、攻め駒を呼び込むような強い受けにするか。まだ4枚で攻められる体制にはなっていないので、どちらもありそうです。
○ じっと待つなら58銀がよいでしょう。

26歩同歩15香同香27歩同銀26銀同銀27歩

という攻め筋、ご存知ですよね。2回27歩とたたくのが急所です。ここから27同玉26角38玉15角27歩

香は取り返しても歩切れですから攻めを続けるのが難しいです。角が窮屈ですね。
飛車で銀を取り返したら

38玉27銀48玉28銀成64歩同歩65歩

とすれば先手が十分でしょう。28成銀が重いです。
× 56銀では46銀

と出られて、57銀成があるので厄介です。飛車の横利きも受けに利いていたのです。
△ 66角と合わせるもの受けの手ですが

66同角同銀46銀

これで47歩と追えば形勢互角、これからです。
ただし欲張って64歩同歩65歩は、26歩同歩65歩同銀26飛

として、27歩に37銀成が王手飛車なので注意です。
△ 実戦では45歩と強い受けです。

桂の高跳び歩の餌食とはいうのですが、間違えるとひどい目にあいます。45同桂に66角

と合わせればよいです。角を交換して33角から馬を作る狙いがあります。
実戦では45桂に46歩と打ちましたが、これは悪手です。

57桂成で歩の餌食にはなりませんね。でも後手も37桂成と間違えました。おあいこです。37同桂に26歩

26同歩27歩同銀26銀同銀

ここで27歩とたたかずに、26角27歩36銀

とひねりました。先手はしめたとばかりに38銀と打ったら37角成

でつぶれてしまいました。
38銀ではなく38金とすればまだつぶれませんが、18歩

から角香交換で攻められるので勝負はこれからです。
後手は2回目の27歩を打つ方がよいでしょう。

27同玉26飛38玉36銀

39桂37銀成同玉25桂47玉28飛成

というのは銀損でも後手の攻撃が続きます。
○ 攻めを呼び込むなら36歩はどうでしょう。

36同銀37歩25銀としてから45歩です。

逃げると角が窮屈なので、45同桂に46飛として57桂成同金

77角成には41飛成なのでこれは先手が指せそうです。
△ 攻め合いなら64歩がよい手になりそうなのですが

後手に歩を渡すので善悪は難しく、64同歩65歩26歩

26同歩27歩同銀26銀同銀27歩

香車を捨てなくても1歩あるのです。27同玉26飛38玉47銀同玉29飛成18角

ただし一番激しくいくと王手竜取りで竜が消えますから、後手は工夫が必要です。
64歩同歩65歩の時に71玉と引いておいて

64歩に26歩同歩27歩・・・と行けば

先手も悪いとも思えないのですが、後手は55桂が残っているので相当でしょう。
さて、どれを考えましたか?
冷静に見れば、後手だけ角を手放したうえに香を捨てて攻めるのですから、受けても十分です。受けるならきれいな形がよく、58銀と引くのが本筋でしょう。
56銀や66角は受けの手ですが、58銀と引くのよりも形が悪くなります。
後手の攻め駒の連携が悪いのだ、と主張するのは実戦の45歩です。ただし45同桂で57桂成があると気が付いたらあわてそうですね。66角と合わせて軌道修正できればまだよいのですが。
もう少し工夫して36歩同銀37歩を思いつくなんてよほど受けに自信のある人でしょうけれど、銀の位置を悪くすれば45歩が有効になります。46飛まで見えれば、36歩を見つけてよかった、ということになるでしょう。飛車の横利きを最大限に生かした受けなのです。
64歩の攻め合いは難しいです。通常は歩しか渡さないので、平均点以上なのですが、後手に渡す1歩が大きいです。ただし26歩以下の攻めは、これさえ知っていればきれいに決まるという手筋ではありません。飛車先を破ったとしてもその先が難しいということも多いです。
きれいに決まるのは銀交換を角で取って(24飛26角27玉の形)、38玉に27銀同玉17角成同玉29飛成という筋ですが、この問題の場合は27銀を取ってもらえず、うまくいきません。
この後手の攻め筋、私が子供のころの初心者用の定跡書に書いてありました。松田茂行先生の本ではなかったかなあ、と思うのですが、遠い昔の話です。だから相振り飛車の時には美濃囲いではなく、金無双のほうが良いのだと解説してありました。