名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20160917今日の一手<その388>; 寄せのセオリー (6)

20160917今日の一手

8月13日の名南将棋大会から、FさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。




一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
飛と金金桂香の交換で、成香成銀を作り、竜と と金を作られています。先手が大きな駒得です。
玉の堅さは先手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は53成香と持ち駒角金金桂で5枚。十分です。
後手の攻め駒は28竜は数えにくいですが、39飛58銀と持ち駒角桂で4枚。十分です。

総合すれば先手有利です。

最終盤では何手で詰めろになるかで比べるほうが正確です。
後手玉は62成香で詰めろですが取られるので無効、43角~61角成で詰めろなので3手すき
先手玉は29竜で詰めろなので2手すき
先手の手番ですがこのままでは負けですから後手が有利です。

大局観として

素直に進むと負けですが、先手玉は金銀3枚、持ち駒に金もあるので受けが利きます。実は29竜69桂の形は3手すきなのです。後手から詰めろがかかりません。数手先に69桂が自玉の1手すきを3手すきにできる好手になるという寸法です。
つまり実質は互いに3手すきなので、先手の手番なので先手有利です。

受けに1枚使っても攻撃力は十分にありますから、寄せのセオリーに従って考えていきましょう。


× 実戦は55角でした。直接後手玉に迫る手から考えるのはセオリー通りです。

竜取りの先手で角を打てるのでやりたくなるのですが、29竜で詰めろです。後手玉が詰むなら問題がないのですが
29竜74桂93玉66角84歩同角同玉85金

取ってもらえれば詰みですが、逃げられて自陣に手を戻すようでは失敗で、先手の負けになりました。


○ 先に74桂と捨てたら

92玉には71角が詰めろというか必至ですね。


後手は74同歩と取るしかなく、55角64角28角同角成

までは進むでしょう。桂馬を捨てた分だけ損なのですが、41飛51歩48飛成

として両取りですから58の銀が取れるでしょう。先手が優勢です。駒得で長期戦なら構いません。


△ 62金は71角のねらいですが、わずかに詰めろではありません。

でも1枚もらえば詰むのでかなり有力です。
後手は29竜69桂62銀同成香72金と受けて、先手は53銀とつないでおきます。

これで先手有利をキープできています。後手からは21竜と粘れるのですが、先手が駒得なので確実に迫ればよいです。


× 63成香でもよさそうに見えますが

これも詰めろではないです。狙いは62歩に74桂同歩64角

が王手竜取りで、角合ができないことです。

でも29竜88銀62歩

くらいで困りますね。


△ 61の銀を目標に考えてみましょう。小さな駒からですが、桂馬では2手かかるので51金です。

重くて考えない手ではありますが、61金と取れば詰めろです。19竜69桂72銀62成香71香

後手は香を入手して受けます。72成香同香62銀92玉71角82桂

61銀不成59と72銀成

これで先に詰めろがかかりました。これは先手優勢です。


× 43角も61の銀を目標にした手です。ついでに21成銀にもひもを付けています。

61角成とすれば72金92玉93銀以下の詰めろですね。
29竜69桂52歩

これが好手で、角を使ったので後手玉に2手すきが見つかりません。つまり52同成香59と61成香69と

ここで先手玉はわずかに詰みませんが、上に追われた形によっては詰みがあります。後手玉には詰めろがかからず、どうやらこの変化は後手の勝ちです。



寄せのセオリーが有効だと改めてわかりました。

厳しい手は後手玉を直接狙う手で、
実戦の55角は攻め駒不足になります。詰ますために角は残しておきたいのです。小さな駒からがセオリーでした。
74桂から王手竜は角合があるので通常は損なのですが、41飛から48飛成という寝技で優勢です。
62金は詰めろにならないのが残念で、金を渡すので受けに使われて、少し長い戦いになりますが有利に進められます。

次に考えるのは61銀を狙う手です。
51金なんて筋が悪そうな手ですが案外有力です。後手は受けに適する駒が少ないのです。
43角の方が筋がよさそうですが、52歩と打たれて困ります。角は温存したほうが詰めろをかけやすい形でした。