20160512今日の一手

4月3日の名南将棋大会から、AさんとNさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香桂交換は損得なし、馬を作った分だけ先手がやや駒得です。
玉の堅さは後手のほうがやや堅いです。
先手の攻め駒は46馬と持ち駒銀桂で3枚。
後手の攻め駒は42角96香持ち駒香で3枚。92飛も働きそうです。
総合すれば互角です。
大局観として
端は破られたようです。でも後手は72に銀を手放しているので善悪は微妙です。
後手の攻め駒はまだ3枚なので、飛車か角を封じておけば受けはありそうです。
けれど受けだけでは勝てません。うまくかわして入玉というパターンもあるのですが、その時は72の銀が働きそうで、この場合はどこかで攻め合いにしたほうが良いでしょう。攻め合いの場合は25歩と37桂の配置は心強く、28飛は攻めに使えそうです。それで攻め駒は4枚になります。
× 実戦は93歩でした。

93同飛に82馬が狙いです。94飛(95飛のほうが良い)86桂95飛72馬

歩と銀を交換したということになるのですが、これで優勢なら話はうますぎです。98香成79玉89成香同玉91香

88銀97歩63馬98歩成

歩切れが痛く、銀を取り返されます。79玉88と同金99飛成89金96竜41銀31銀77金

最後の77金が悪手で、85桂から97桂成で悪くなりました。78玉くらいでまだまだでした。
とはいえこの93歩から銀を取るのは歩切れで馬が遊ぶので攻められて悪いです。後手は94飛と逃げたので86桂が先手で入ったのが痛く、実戦では難しかったのですが。
○ 受けるなら実戦の途中でも出た86桂です。

これで角筋が止まり、94歩を見ていますから働いた手と表現されます。1手で2つの意味があるのですね。98香成79玉89成桂(取らないと77桂と逃げられる)同玉95飛98歩

これくらいで端はひと段落。82馬を狙います。
× 攻めるなら24桂を真っ先に考えるのですが

24同歩同歩同銀同馬同角同飛23香

23歩とされてもつまらないくらいなのに、飛車を殺されてしまいます。
× 24桂の前に工作が必要です。15歩は

取ってもらえば攻め筋が増えるのですが、98香成77玉(角の利きがあるので下に逃げにくい)89成香14歩12歩

後手は98飛成から85桂68玉88成香と使えますから優勢です。
○ 52銀は手筋です。

金矢倉は42角がいないほうが堅いということがあります。41銀や52銀に弱いのです。72に銀があるので飛車の横利きがないというのも大きいです。
98香成77玉89成香24桂

一回力をためると24桂は厳しそうです。24同歩同歩同銀43銀成同金24馬

24同角同飛23歩31銀

後手は持ち駒に金がないので下段に追えば手になります。31同玉23飛成33金22角

42玉33角成同桂34竜

43金、41金、44竜を見ていますから受けがありません。59角には68金引で先手玉は寄りません。これは先手優勢です。
最初の52銀に53金と挨拶すれば41銀成で

やはり24桂は厳しいです。
△ 41銀と打てば

31金には52銀成ですから逃げることはできず、98香成77玉89成香24桂

24同歩なら同歩同銀同馬同角同飛23歩32銀成同玉

先ほどは22玉の形でしたから位置が違います。41銀では33玉で少し足りないので、41角同玉23飛成32銀52銀

52同玉32竜42香41銀62玉52金

これで42金と取って勝ちのようです。
でも24桂に31金は気になりますね。

52銀成は97角成、52銀不成は53金で悩みます。93歩から銀を取ることもできるのですけれど、組み合わせが難しいです。と言って32銀成を決めて24桂は取ってもらえなさそうで、ここのところを解決できればよいのですが、最初から52銀には劣りそうです。
△ 他の攻め方は35歩です。

35同歩26桂98香成77玉89成香34歩

34同銀52銀98飛成

34桂同金43銀打33金引32銀成同玉

1歩あれば34歩で勝てそうですが、少し足りません。
☆ まとめ
問題図で93歩から82馬がみえると、この一手と思えるかもしれません。でも駒得は味が悪いものです。馬が遊んで歩切れですから攻められて悪くなります。馬ができていれば十分、くらいに思って、手厚い指し方を考えるのがよいです。
86桂と受けるのはあまり見ない筋なのでうっかりしそうですが、働いた手です。
攻めるなら24桂が本線ですが、うまくいかない。であれば工夫しよう、銀をかけるのが手筋。そう考えられればしめたものです。41銀がよいか52銀がよいかというのはその時によりますが、金矢倉に対しては急所の筋です。
また、相矢倉では前の手を生かすような指し方を考えたいものです。25歩37桂まで指せているのですから、攻めて勝つことを考えたほうが効率が良いです。
一度は86桂で受けたとしても、そのあとは寄せ合いを考えましょう。もし29桂26歩の形なら攻め合いにはならないので受ける手段を探すしかありません。