名将会ブログ

名将会(旧名南将棋大会)のブログです。名古屋で将棋大会を開いています。

20151129今日の一手<その219>; 寄せのセオリー(4)

20151129今日の一手

先月10日の名南将棋大会からHさんとMさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。










昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香香と飛の交換、さらに成香と金を作られています。先手の駒損です。でも終盤なのでこれくらいなら考慮しなくてもいいです。
玉の堅さは見ただけではよくわかりません。どちらも堅くないのです。同程度ということにしておきます。
先手の攻め駒は84馬と持ち駒飛桂で3枚。45の銀も働きそうです。
後手の攻め駒は29馬と持ち駒銀桂桂香香で6枚。86と も加えてよさそうです。
総合すれば互角です。

何手で詰めろかを見ておいた方がよさそうです。後手玉は81飛~64桂~52桂成同金41金33玉31金~21金で詰めろなので4手すき。先手玉は35桂~47桂成~58桂成同金46桂~58桂成同玉46香で4手すき。応手もいろいろなのでこの通りとは思えませんが、どちらも同じくらいの堅さなんでしょう。なので形勢は互角です。手番の先手がうまく攻めれば先手が寄せ合い勝ちになりそうです。

大局観として
終盤なので大局観の出番は少ないのですが、寄せのセオリーに従って寄せることです。先手の攻め駒が3枚なので、45銀や58飛も使いたいです。4枚の攻めなら切れません。大駒が多いので攻め足も速いでしょう。
寄せのセオリーは
①厳しい手から考える
②小さな駒から使う


また、攻め合いがうまくいかないと判断すれば、今は左右挟撃なのですが、後手の86と や98成香を取り切って左に逃げるあるいは入玉することもできるかもしれません。


× 実戦は54歩でした。

これは歩で攻めるのですから効率はいいです。攻め駒が増えます。ただし54同歩同銀では厳しくないのが問題です。
実戦では54同歩75馬32玉に54飛が疑問手。53香が強い手でした。

53同馬同金同飛成に42銀打が手堅い。

62竜51香54歩35角

35角を手順に打って、55桂からの後手の寄せが厳しくなりました。

54飛では54銀のほうがいいのですが、44香

47の地点をしつこく狙われますから先手が不利です。


△ 75馬は形勢不利だと思ったときの手。

33玉に86馬

と金を払って左に逃げる準備です。この時、54歩同歩が入っていると55桂から攻められます。だから黙って馬を引いたのです。
44香56銀38馬

これは49銀を狙っています。57金上89成香69玉

玉を左に逃げます。逃げているような捕まっているような。捕まえるほうが大変に見えます。


○ 寄せのセオリーで64桂

王手は無意味ですし、先ほどの75馬も32玉で、後手玉を狙うのはまだ無理。
ですから41金か52金を狙います。
小さな駒から考えて、54歩同歩53歩同金・・・は歩切れになるから55香が痛い。だから桂馬で金取りです。
後手は放置はできず、金を逃げますね。51金引には54歩同歩同銀

この銀の進出が厳しくなっています。43銀成から51馬同金同飛成が狙い。51金に馬が利いているのが大きいです。
52歩では53歩と合わせればいいので無効。


32銀の受けも43銀成同銀51馬

51同金53金32玉43金

後は51飛成で詰めろです。

戻って、64桂に51金はだめなので63金

61飛に62歩は54歩

普通に金銀交換を目指して大駒の働きで寄せられます。

後手の最善は61飛に64金と桂馬を取り切ります。

64同飛成51香に34銀

これで35桂の攻め合いには54歩同歩51馬

51同金に54竜からの寄せが決まります。

34銀には32玉ですが

54歩同歩52歩

どちらで取っても53歩です。これで先手有利。後手も最善ならなかなか難しい手順でした。


△ 寄せのセオリーで81飛は次善の策です。

41金に目を付けているのですが、やや足が遅いです。だから後手の応手が多いのです。
35桂の攻め合いは54歩同歩53歩

53同金54銀同金同飛

52香に53歩同香51馬

豪快な寄せが決まります。

51香と受けても64桂

今度は金を逃げられません。

ならば先手が十分のようですが、76と が緊急手段。

76同金64桂65金56香

56同銀同桂同飛44桂

持ち駒を生かしてしつこく攻められます。58飛56香というのもやりにくいので、26飛24香16飛56銀

後手から67歩がきついです。
この図になるまでに先手が変化するところもありそうです。手順を探せば難しいでしょう。
ですが、81飛が(その時点では)あまり厳しくないということはわかってもらえたでしょうか。


問題図では形勢互角でした。

私はつい75馬から86馬というのを最初に考えてしまうのですが、これは攻め駒が足りなくて寄せ合い負けに見えるからです。

実際は45銀や58飛を使えば攻め駒は4枚になり、寄せのセオリーで考えての第一候補の64桂が有力でした。63金からの後手の最善の受けは難しいのですが、先手に分のある攻め合いです。

81飛はやはり次善手で、76と からの勝負手を与えてしまいます。

実戦の54歩は自然な手に見えるのですが、放置すれば55桂や55香が残るので、継続手が問題です。54同銀としたときが甘いのでうまくいきません。実戦の(75馬の後の)54飛に53香で2枚換えで竜を作られるとはいえ玉を固めて十分、という後手の判断が素晴らしかったです。